手汗の原因ってなに? 緊張していないのに手汗をかくのはなぜ?

手汗 原因
「手汗の原因は緊張だっていうけど、本当にそれだけなの?」
「緊張していない時でも手汗が…なぜ?」

止まらない手汗。「気にするから出るんだよ」「気にしないようにすれば止まるでしょ」なんて言われても、スマホも持てないし本もマンガも読めないし、何より人に見られたらどう思われるのか、心配でたまらないものです。

「手汗は緊張や不安などのストレスが原因」と言われることが多いですが、では、そのストレスを取り除けば手汗は改善されるのでしょうか。
緊張やストレスが原因なら、「緊張してない時でも手汗が出る」のはなぜなのでしょう。

●手汗の原因ってなに? 精神的なものなの?
●緊張していなくても手汗が止まらない、その理由は?
●緊張やストレスから解放されれば手汗は出なくなるの?

身近な人にも相談しにくい手汗の悩み。「なぜ私だけ…」という不安はなかなか頭から離れません。そんな不安を少しでも減らすため、手汗の原因についてまとめました。

手汗の原因は緊張やストレス?

手汗 原因 緊張
手汗の原因の前に、まずは「汗」について知っておきましょう。
汗は、その原因によって種類が分かれています。

汗の種類…「温熱性発汗」と「精神性発汗」

「温熱性発汗」…体を冷やし、体温を一定に保つためにかく汗
「精神性発汗」…緊張やストレスなど、精神的なことが原因でかく汗

運動後など、体の温度が上がったときにかく汗は「温熱性発汗」といって、体温を調節するために必要な汗。一方の「精神性発汗」は、人前に出たり、怒ったり驚いたりしたときに反射的にかく汗。

手汗はどちらなのかというと…もう分かりますよね。
手汗は、緊張やストレスが原因の「精神性発汗」です。

精神性発汗の現象は、これまで指向反射という概念で説明されてきた。(中略)たとえば、突然大きな音がするとその発生源の方向に目や頭を向ける。この反射はふつう心拍、血圧、呼吸などの自律神経の反応を伴うが、手のひら、足のうらの汗はその一つの要素とみることができる。

引用:菅屋潤壹『汗はすごい』(ちくま新書,2017)p.162

緊張・不安・興奮…精神的にストレスを受けると、心臓が早くなる・血圧が上がる・呼吸が荒くなるなどの自律神経の反応が起こります。手汗も、このような反応の一種。緊張やストレスの原因が無くなれば、普通は手汗も一緒に引いていきます。

しかし、「一度かいた手汗がしばらく引かない」「大きな緊張やストレスは無いのに、なぜか大量の手汗が出る」ということも。
それはなぜなのでしょうか。

緊張していないはずなのに手汗が…なぜ?

手汗 原因 なぜ
「人前に出たとき」のように、明らかに緊張する場面で手汗が出るのはごく自然なこと。
では、これといった原因や心当たりが無いのに手汗をかくのはなぜなのでしょう。

実は、自分では心当たりが無いと思っていても、心の奥底に「手汗が出たらどうしよう」という不安が潜んでいる場合、その「無意識の不安」が原因で、脳が緊張状態だと錯覚してしまうことがあるんです。

手のひらや足のうらの多汗で悩んでいる方に話を聞くと、その多汗症になったきっかけとなった出来事があります。例えば、ピアノの発表会で緊張しすぎて失敗したとか、好きな女性とフォークダンスで手を握るときに汗を大量にかいてしまった……といった経験です。

その経験をきっかけに、それ以降「汗をかくのではないか」「汗をかいたら嫌だなあ」と言った汗を予想する不安を持ってしまうことがあります。これを「予期不安」といいます。

心の潜在意識にそのような予期不安を持っていると、本人は意識しなくても、脳の中は絶えず「緊張」と同じ状態になってしまいます。

引用:五味常明『新・もう汗で悩まない』(ハート出版,2010)p.98

「汗をかいたらどうしよう」など、汗をかくことを予想した「予期不安」が心の中にあると、脳は緊張しているときと同じ状態に。

ただの予期不安なのか、それとも本当に緊張しているのか、脳はその違いを判断できません。予期不安による緊張を本当の緊張と勘違いした結果、精神性発汗である手汗が止まらなくなってしまうのです。

「手汗の原因は精神的なものではない」という説も

手汗 原因 自律神経
ここまで、手汗の原因や理由は「緊張や不安などのストレス」「潜在意識の中にある予期不安」だと紹介してきました。
しかし、専門家の中には「手汗の理由は精神的なものではない」という人もいます。

どうして多汗症が発症するのか、残念ながら原因はよくわかっていません。ただ、手掌足蹠多汗症(しゅしょうそくせきたかんしょう)の人は、一般の人に比べて交感神経の反応が強いと言えるでしょう。(中略)

多汗症は精神的な病気ではありません。受診される患者さんに精神的、心理的な偏りはまったくなく、性格も千差万別です。精神に問題があるのではなく、自律神経のうちの交感神経の反応が強すぎるのです。

引用:塩谷正弘 監修『ひどい汗かき―多汗症』(日本放送出版協会,2000)pp.13-15

「手掌足蹠多汗症」とは、手のひらと足の裏に大量に汗をかく症状のこと。

脳からの「汗を出せ」という命令は、自律神経のうちの交感神経を通じて汗腺(かんせん:汗を分泌する腺)に届きます。手汗が多い人は、この交感神経の働きが強いため、普通の人なら汗をかかないような刺激でも手汗が出てしまうというというわけです。

手汗の原因は、先ほどのような「予期不安が原因」という考えがある一方、このように「交感神経の反応が強いのが原因」という説もあるなど、まだまだ謎に包まれているものなのです。

手汗を必要以上に怖がらないで

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日常生活に大きな悩みをもたらす手汗。その原因は、「精神的なストレス」の一言では片づけられないほど複雑なものでした。

●手汗は精神性発汗で、緊張・不安などのストレスも原因のひとつ
●手汗をかくことへの「予期不安」で、脳が緊張状態だと錯覚することも
●「手汗の原因は交感神経の反応が強いから」という説もあり

「気にしすぎて手汗が悪化する」ということは確かにあるかもしれませんが、潜在意識の中にある不安を自分の意識で変えるのは難しいもの。それは、恥ずかしいことでも、気持が弱いわけでもありません。

手汗が学校生活や仕事に支障をきたしているなら、手術などの治療や手汗専用の制汗剤などで物理的に止めるのもひとつの方法です。しかし、もし「手汗が気になって人と会うのも怖い」という不安が絶えず付きまとっているようなら、まずはその不安を取り除くのも大切。

あなたにとって1番の悩みは何なのか、まずは、自分自信とゆっくり相談してみてくださいね。

執筆ライター

執筆ライター:美香

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